「美の象徴とは?美とは何か?」考えさせられる一冊
金閣寺を燃やすに至るまでの物語。
青年僧にとっての金閣寺とは、幼少期から「美」そのものだった。
父親の語りを通して、少年は金閣寺のイメージを形成する。
金閣寺は、少年の生活に現れる美そのものに投影されるようになっていた。
「金閣寺は燃やされなければならない」
数々の経験を経てついに青年僧は、美とは怨嗟だ、と達観する。
★感想
三島氏には感嘆の一言です。数ある挿話も、いちいち次の場面に効いています。
前半は風景描写、後半は心理描写が素晴らしい。
金閣寺に絶対的で永遠的な美を見いだして、自身の生の儚さを思い知らされたのかな…?(理解が追いついていない)
愛情と憎しみは紙一重。
だから金閣寺を燃やすんだ!とは私はならないけれど、この感情なら少し理解できるかも。
再考を深めるためもう一度読みます。
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