本読むしろくま

あなたに贈る本

日本文学

「美の象徴とは?美とは何か?」考えさせられる一冊

金閣寺/三島由紀夫 ある青年僧が、金閣寺に憧れ、金閣寺で過ごし、 金閣寺を燃やすに至るまでの物語。 青年僧にとっての金閣寺とは、幼少期から「美」そのものだった。 父親の語りを通して、少年は金閣寺のイメージを形成する。 金閣寺は、少年の生活に現れ…

「気軽に時代小説を読んでみたい」そんなときに読みたい本。

恋忘れ草 / 北原 亞以子 直木賞受賞作です。 江戸時代の「キャリアウーマン」たちを描いた短編集。 本当にいい作家は、時代小説がうまい人だと勝手に思っています。 仕事で少し成功をおさめたけれど、女性だからと向き合ってもらえないことも多い。 現代でさ…

好きなものを胸を張って「好き」といえますか?おすすめの本

水を縫う/寺地はるな 家族からおすすめされて読んだ本です。 裁縫と料理が得意、趣味は刺繍の高校生男子の清澄(きよすみ)。 中学生のときに「女の子になりたいの?」などと言われて友だちができなかった過去があります。 清澄はそれでも、自分のやりたいこと…

「人生とは?」悩んだときに読みたい本。

君たちはどう生きるか/吉野源三郎 中学生のコペルくんは、おじさんの助けを借りつつ、社会について、人間についての思索を深めていきます。 身構えてしまうような説教くさい話ではなく、読み物としてもしっかりおもしろいです。 私は、どう生きるべきか。 学…

「寝つけない夜を、わくわくして眠れない夜に」そんなときに読みたい本。

火車/宮部みゆき 『今夜は眠れない』という同作家の小説もありますが。 おもしろすぎて徹夜で読み切りたくなる小説が、こちらです。 ひとりの女性が忽然と姿を消した。婚約者にも行方を告げず、徹底的に痕跡を消して… 彼女を探していくうちに、次から次に疑…

「美しい涙を流したい」そんなときに読みたい本。

ごんぎつね/新美南吉 鰻を捕るなどいたずらをして兵十を困らせていた、きつねの「ごん」。 少し経って、ごんは兵十の母が亡くなったことを知ります。 (兵十のお母さんは、死ぬ間際に鰻が食べたいって言って、死んでいったんじゃないだろうか。俺が、いたず…

「タイトルからは想像もつかない」そんな本が読みたい。

芽むしり仔撃ち/大江健三郎 山奥の村で集団疎開することになった感化院の少年たち。 流行りの疫病がこの村を襲い、村人たちは少年を村に閉じ込めたまま、どこかへ移動してしまいます。 絶望を乗り越え、少年たちはこの村で自由を謳歌します。 とにかくおもし…

「泣きたいぐらい星が綺麗だ」そんなときに読みたい本。

銀河鉄道の夜/宮沢賢治 長いこと帰ってこないお父さんの帰りを待つジョバンニ。優等生のカムパネルラ。 ある夜、気づけばふたりは銀河鉄道に乗っていました… 銀河を走る鉄道の風景が美しく、賢治独特の言い回しもたくさんでてきます。 心を浄化したいときに…

「人生の夕暮れを眺めたい」そんなときに読みたい本。

山の音/川端康成 ノーベル賞受賞時には「日本人の心の精髄」を表現したことが評価された川端氏。 息子の嫁に淡い恋心を抱く老人が主人公の物語。 川端氏の言葉によって紡がれる日常の風景の美しさ。 平易な文体ではあるものの細やかな人間模様。 家族の繊細…